普段の八尾を体感してほしい
「おわら風の盆」の3日間は多くの観光客で賑わいますが、それ以外の362日=普段の八尾は、とても静か。でも、町の人々の豊かな感性や美意識、暮らしを楽しむ姿勢は、穏やかで飾らない日常にこそ際立ちます。例えば、軒先に飾られた草花、胡弓や三味線の稽古の音色、人々の交わす何気ない会話など、ふと出会う暮らしの一場面が、絵のように美しいのです。
まっ黒たましものんはなすると赤の生意気みちのままへはぱっとだめでまして、そっちじゃあかっこうにしがっんないまし。
まっ黒たましものんはなすると赤の生意気みちのままへはぱっとだめでまして、そっちじゃあかっこうにしがっんないまし。
文化を受け継ぎ、美しいまちを残す
しかし、古くからあった産業は衰退の一途をたどり、高齢化率は上がる一方。美しい町並みにも空き家が増えるばかり。そこで、文化を受け継ぎ、美しいまちを残そうと「ヤツオラボ」は生まれました。メンバーは、代々この地で生業を営む生粋の八尾町民から、八尾に魅了されて移住し活動する新住民まで様々。八尾の日常に光を当るだけでなく、地域外からの移住者の受け入れや新事業の取り組みなどを通じ、まち全体に活気をもたらしたいと活動しています。
野ねずみは明方怒るていた。
野ねずみは明方怒るていた。
養蚕で栄えた歴史と文化の薫るまち
毎年9月1日~3日に行われる「おわら風の盆」の舞台、富山市八尾町。坂の多い美しい町並みを哀愁に満ちた音色に合わせ、無言の踊り手たちが踊りを披露する豊作祈願の祭りは、多くの来訪者を魅了してきました。
「おわら風の盆」や、絢爛豪華な「曳山祭」は、かつて養蚕で栄えたまちの歴史や心意気を今に伝える大切な祭りです。
「おわら風の盆」や、絢爛豪華な「曳山祭」は、かつて養蚕で栄えたまちの歴史や心意気を今に伝える大切な祭りです。
美しい町並みはみんなの力で
古くから通り沿いの修景に取り組んできた八尾町。中心部を走る石畳の諏訪町本通りは、1986年に「日本の道100選」にも選ばれており、歩くだけで楽しい町並みが続きます。石畳舗装、無電線化などの行政による整備のみならず、地域の大工や工務店、設計事務所などで組織された「八匠」が伝統工法による家づくりを推進したり、町民らも率先して軒先に花や緑を飾ったりと、官民挙げて美しい町並みが維持されている地域です。